

中国メディアが報じたところによると、四川省の山岳地帯で実施された災害救援訓練において、新型の垂直離着陸(VTOL)ドローンが試験的に導入されました。このドローンは、その設計において米国のドローンメーカーであるShield AIが開発・製造したV-BATドローンとの類似性が指摘されています。V-BATは、海上自衛隊にも採用されている偵察監視ドローンです。
A China-developed ducted-fan vertical take-off and landing (VTOL) tail-sitter drone recently made its debut at a mountainous plateau disaster relief drill in southwest China's Sichuan Province.
— China Science (@ChinaScience) July 18, 2025
With a wingspan of 2.6 meters and a height of 1.8 meters, the drone, equipped with a… pic.twitter.com/J7jbuVBfmT
この中国製のダクテッドファン式垂直離着陸(VTOL)テールシッタードローンの具体的な諸元としては、翼幅が2.6m、全高が1.8mとされています。特筆すべきはその動力源で、尾部にダクトファンエンジンを搭載し、その下に配置されたシンプルかつ堅牢な4つのブラケットが、垂直離着陸を可能にしています。この構造は、まさにV-BATドローンの特徴的な設計思想と酷似が指摘されています。


両機ともに、垂直離陸とホバリングを可能にするダクテッドファンを尾部に持つ構造を採用しており、これにより効率的な前進飛行と狭い場所での運用性を両立させています。しかし、V-BATが全高3.8m、翼幅2.9mと大型で、より大きなペイロードを搭載できる軍事用途を想定しているのに対し、中国版V-BATは一回り小型です。このサイズの差は、中国側が本機を単なるコピーではなく、独自の改良を加えた拡張版であると主張する根拠となる可能性が指摘されています。


香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の報道によれば、この中国製ドローンは主に災害救助を目的として開発されました。被災地の状況を詳細に把握するために赤外線と可視光による撮影機能を搭載しており、これにより閉じ込められた生存者の信号を探知することも可能です。さらに、他の種類のセンサーと容易に交換できるモジュール設計を採用しているため、多様なミッションに対応できる汎用性も持ち合わせています。
このシステムは、中国航空工業集団(AVIC)によって設計されたと報じられています。特筆すべきは、そのプラットフォームが人工知能(AI)を駆使している点です。AIは飛行計画の自動化、障害物回避、さらには複数のドローンを同時に運用するグループ操作までを自律的に実行できるとされています。これにより、災害現場における迅速かつ効率的な情報収集、そして救助活動の支援が期待されています。
