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米特殊部隊、新世代ライフル「Mk24」配備開始へ 長距離戦を変える6.5mm

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©LMT Defense

米陸軍の「6.8mm新時代」に背を向け、米特殊作戦軍SOCOM(USSOCOM)は独自の進化を選んだ。SOCOMは新型ライフル「Mk24 Mid-Range Gas Gun-Assault(MRGG-A)」の配備を開始。既存の「Mk17 SCAR-H」の後継となるこのライフルは、陸軍の次世代分隊火器計画(NGSW)が採用した6.8×51mm弾ではなく、“6.5mm Creedmoor”弾を主軸としている。この口径選択の裏には、ウクライナ戦争の教訓が色濃反映された、現代戦における特殊部隊の「戦い方の変化」がある。

SOCOMが10年契約で選んだ「Mk24」の正体

Mk24 MRGG-Aは、LMT Defense(Lewis Machine & Tool)が開発したAR-10系統のモジュラーライフルである。SOCOMは2025年、最大9200万ドル規模の契約をLMTと締結。今後10年間にわたり、ライフル本体や予備部品などを調達する予定だ。

  • ベースプラットフォーム: LMTの「MARS-H」。
  • 特徴: 14.5インチ銃身で6.5mm Creedmoorによる高精度長距離射撃を可能にする。
  • 汎用性: 2本のボルトを回すだけで、数分で別のバレルに交換できる「quick-change swappable barrel(クイックチェンジ式交換銃身)」を採用し、7.62mm NATO弾への対応も可能。
  • 耐久性:バレルには高品質なステンレス鋼を採用。ボルトキャリアには、泥や汚れに強く、確実な排莢を行うための デュアル・エジェクター(2つの押し出しピン)が組み込まれてい

SOCOMは2026会計年度内の実戦配備開始を目指し、“複数の特殊部隊コンポーネント”へMk24を配備する予定だ。

【6.5mm Creedmoorの衝撃】特殊部隊が「遠距離命中率」を優先した理由

SOCOMが6.5mm Creedmoorを選んだ最大の理由は、その「遠距離戦闘能力」にある。元々民間競技射撃用として開発された6.5mm Creedmoorは、以下の優秀な弾道性能から軍や特殊部隊の間で評価を急速に高めた。

  • 風の影響を受けにくい。
  • 長距離でも速度低下が少ない。
  • 落下量が小さい (フラットな弾道)。
  • 高精度。

SOCOMは以前から6.5mm Creedmoorの試験運用をMk20 SSRやM110系列で行っており、MRGG-S(狙撃型)にも既に採用されている。Mk24 MRGG-Aの採用は、“特殊部隊向け6.5mm化”の集大成とも言える。

「貫通力」 vs 「精密射撃」:陸軍6.8mmとの決定的な戦略の差

米陸軍が次世代分隊火器で採用した6.8×51mm弾は、中国・ロシア軍の最新ボディアーマーに対抗するため、「防弾装備を着た敵兵を撃ち抜く」ことを重視した高威力弾だ。これは分隊火力強化を中心思想としている。一方、SOCOMがMk24で重視したのは、以下の能力だった。

  • 長距離命中率と精密射撃
  • 制御性、低反動
  • サプレッサー(消音器)運用時のガス問題解決

6.8mm弾は非常に高圧で反動や発熱が大きく、サプレッサー運用に問題があるのに対し、6.5mm Creedmoorは比較的扱いやすく、長距離精密射撃との相性が良い。SOCOMは、「防弾装備を撃ち抜く火力」よりも、「遠距離で確実に当てる能力」を優先したと言える。

ウクライナ戦が証明した「長距離交戦」への回帰

Mk24登場の背景には、現代戦、特にウクライナ戦争の影響がある。FPVドローンや偵察UAV(無人航空機)が普及した戦場では、「見つかった側」が極めて不利になる。そのため、兵士は以前より長距離から交戦する傾向が強まり、開けた地形では600m〜1000m級交戦の重要性が急速に高まっている。Mk24は、この現代の戦場環境、すなわちDMR(マークスマンライフル)的な運用や高精度セミオート射撃が求められる状況に最適化されたライフルである。これは、米軍全体で進む「長距離監視・精密打撃能力」の強化(例:軽量化と索敵距離2倍を達成した次世代ジャベリンLWCLUの導入など)という、より大きなトレンドの一部と言える。

7.62mmの王者「SCAR-H」の終焉と、Mk24が持つべき役割

Mk17 SCAR-H(SOCOM)

SOCOMの主力7.62mm口径ライフルとして長年運用されてきたFN SCAR-H(Mk17)は、アフガニスタン戦争などで高い評価を得た。しかし近年、長距離性能不足、重量、精度要求の向上などが課題となっていた。Mk24は、SCAR-Hの“高火力”を維持しつつ、「より遠くを、より正確に撃てる」方向へ進化した存在である。SOCOMは、突撃型(MRGG-A)と狙撃型(MRGG-S)の2本柱で、6.5mm Creedmoorを中心とした新世代小火器体系を構築していく可能性が高い。

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