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防衛省が市ヶ谷庁舎にLUUP導入 「自前で十分では?」費用と安全保障に疑問の声

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防衛省は7月1日、市ヶ谷庁舎内の移動手段として、電動キックボードと電動アシスト自転車のシェアサービス「LUUP」を導入したことを発表した。東京ドーム約5個分という広大な敷地を有する市ヶ谷庁舎内で、職員の移動を効率化し、業務の生産性向上を図ることが目的としている。

しかし、この発表を受けてSNSでは歓迎の声だけでなく、「なぜ防衛省がLUUPなのか」「自前で用意した方が安いのではないか」「位置情報の取り扱いは大丈夫なのか」といった疑問も相次いでいる。国家安全保障を担う中枢機関だからこそ、一般企業とは異なる視点で検証すべき論点も少なくない。

自前で運用した方が合理的ではないのか

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市ヶ谷地区は東京ドーム5個分、約25ヘクタールの敷地に約1万人の職員が勤務する広大な施設であり、建物間の移動時間が業務効率に影響することは十分理解できる。一方で、そのために今回導入されたのは一般向けシェアリングサービスとして知られるLUUPだった。ここで浮かぶ疑問が、「庁舎内だけで利用するなら、防衛省が独自に電動アシスト自転車や電動キックボードを保有・管理した方が合理的ではないか」という点だ。庁舎内であれば盗難や放置といった一般のシェアサービス特有の問題はほぼ考えにくく、利用者も職員に限定される。民間企業や工場、研究施設などでも、広い敷地では社有車や社有自転車を備品として運用する例は珍しくない。もちろん、LUUPを採用すれば車両整備やバッテリー交換、保険、故障対応などを一括して委託できるメリットはある。しかし、それらの運用コストと、長期間にわたり利用料金を支払うコストのどちらが経済的なのかは現時点では公表されていない。

利用料金は誰が負担するのか

もう一つ気になるのが費用負担である。一般的なLUUPは利用時間などに応じて料金が発生する仕組みだ。ライド基本料金50円にプラス1分ごとに20円が課金される。1kmの移動の目安が3~4分だ。少なくとも1回の移動で100円弱かかる。もし隊員個人が料金を負担するのであれば、「歩いた方が早い」「わざわざ料金を払ってまで利用しない」というケースも考えられる。一方、公費負担や定額契約であれば、利用率は大きく変わるだろう。現時点では、防衛省がどのような契約形態で導入しているのか、利用料金を誰が負担するのかは公表されていない。費用対効果を評価する上でも、この点は重要な情報と言える。また、少なからず批判も多い中で隊員は使用しずらい状況になったといってもいいだろう。

「中国製だから危険」という単純な話ではない

SNSでは「LUUPは中国製なのに、防衛省で使って大丈夫なのか」という指摘も多く見られる。確かに、LUUPで採用されている車体には中国メーカー製が含まれている。ただし、「中国製であること」と「情報が中国へ送信されること」は必ずしも同じではない。重要なのは、通信モジュールやクラウド、運行管理システム、データ保存先などがどのような構成になっているかであり、車体の製造国だけで安全性を判断することはできない。LUUPの車体に搭載されている通信・IoTモジュールは、Luupが独自に仕様を設計し、海外の提携製造工場(ODMメーカー)にて生産されている。サプライチェーンリスクの観点では慎重な評価が必要だが、「車体が中国製だから即危険」と断定することも適切ではない。

本当に気になるのは「移動ログ」の存在

安全保障上でより重要なのは、車体の製造国よりも運用データである。一般的なLUUPでは、利用開始・終了時刻や利用者、出発地点、到着地点などの情報をシステムで管理している。もし市ヶ谷庁舎でも同様の運用であれば、誰が、いつ、どこからどこへ移動したかというログが記録される可能性がある。もちろん、防衛省向けに専用システムやスタッフのアクセス制限、データ保存期間の短縮、匿名化など特別なセキュリティ対策が施されている可能性もある。しかし、その運用方法については現時点で公表されていないが、自衛隊全体に導入されるなら別だが、市ヶ谷庁舎の為だけに特別にシステムを組んでいる事は考えにくい。国家の防衛政策を担う中枢では、個々の移動記録が単独では重要情報でなくても、長期間蓄積・分析されることで、幹部の行動パターンや会議開催の傾向などが推測される可能性も否定できない。

説明が求められる導入

防衛省が掲げる「業務効率化」という目的自体は理解できる。しかし、防衛省という組織の特殊性を考えれば、一般企業以上に情報セキュリティやサプライチェーンリスクへの説明責任が求められる。今回の導入を問題視すべきかどうかを現時点で断定することはできない。しかし、少なくとも次の点については国民が納得できる説明が望まれる。

  • なぜ自前の車両ではなくLUUPを採用したのか。
  • 利用料金や契約形態はどうなっているのか。
  • 位置情報や移動ログは誰が管理し、どこまで保存されるのか。
  • 導入前にどのような情報セキュリティ評価やサプライチェーンリスク評価を実施したのか。

ロシア・ウクライナ戦争では前線で電動バイクや電動キックボードが移動手段して使用されている事は確認されている。例えばその知見をためる為とか、今後の移動手段として本格導入を見据えた実証実験でまずはLUUPを期間限定で導入してみたとかであれば理解はできる。

防衛省は日本の安全保障を担う中枢組織である。それだけに、利便性だけではなく、安全保障上のリスクについても十分な説明が求められるだろう。

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