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共和党敗因の責任は誰に?イラン戦争を勧めた人物と米政権・軍幹部の責任

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2026年11月3日に行われた米中間選挙で、共和党は上下両院の多数派を失う大敗を喫した。その敗因として浮上しているのが、2月末に始まったイラン戦争だ。開戦当初、トランプ大統領は短期間で決着するとの見通しを示していたが、戦闘は8カ月以上に及び、停戦後も和平合意には至っていない。ホルムズ海峡をめぐる緊張や原油価格の上昇も、米国内の経済と有権者の生活を直撃した。

選挙後、J・D・バンス副大統領はSNSで「敗因は戦争だ」と明言し、以前から自身が戦争の終結を助言していたことも明らかにした。トランプ大統領もイラン戦争が選挙に影響したことを認めている。こうした中、米政権内部では誰が開戦を後押しし、長期化する戦争を招いたのかという責任論が浮上している。特に名前が挙がっているのが、ピート・ヘグセス戦争長官、ブラッド・クーパー中央軍司令官、ダン・ケイン統合参謀本部議長だ。さらに、政権外からトランプ大統領に攻撃を強く求めていた共和党上院議員もいる。

開戦を強く後押ししたリンゼー・グラハム上院議員

Gov israel

米国側で開戦前にイラン攻撃を積極的に推進した人物の一人が、共和党のリンゼー・グラハム上院議員だ。グラハム氏は以前から対イラン強硬派として知られ、2026年2月21日のAxiosの取材では、トランプ大統領の周囲にイラン攻撃を控えるよう助言する人物が複数いることを明らかにしたうえで、大統領に対して彼らの意見を無視するよう求めた。当時、トランプ政権内部では軍事攻撃と外交交渉のどちらを優先するか意見が分かれていた。グラハム氏は攻撃推進派を主導する立場にあり、開戦前にはイスラエル、UAE、サウジアラビアを訪問して各国首脳ともイラン問題を協議していた。同氏はイランへの軍事行動について、中東に歴史的な変化をもたらす機会になるとの見方を示していた。グラハム氏は国防総省の指揮系統に属する人物ではなく、軍事作戦を決定する権限も持たない。しかし、トランプ大統領に直接働きかけられる有力共和党議員として、開戦を政治的に後押しした重要人物である。

ヘグセス戦争長官は開戦の早期支持者

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US DoW

政権内部で開戦を支持した中心人物として挙げられるのが、ピート・ヘグセス戦争長官だ。トランプ大統領自身、ヘグセス氏をイラン攻撃の早い段階から支持していた人物として説明している。国防総省を率いる立場にあり、軍事作戦の実施を支えるとともに、政権の戦争方針を国内外に説明する役割を担ってきた。開戦後、ヘグセス氏はイラン軍の戦力を大きく破壊したと繰り返し主張し、戦闘開始から数週間で勝利を宣言した。しかし、実際には戦闘は長期化し、停戦後もイランとの政治的決着はついていない。ワシントン・ポストは、ヘグセス氏がイラン戦争の主要な広報役を務め、戦略目標の変更や戦費、議会の承認をめぐる批判に強く反発してきたと報じている。国防長官として開戦を支持した政治的責任に加え、戦争の見通しや成果をどのように大統領や議会、国民に説明してきたのかも追及の焦点になっている。

軍事作戦を設計したクーパーCENTCOM司令官

US DoW

軍事面で責任を問われているのが、米中央軍(CENTCOM)のブラッド・クーパー司令官だ。中央軍は中東地域の米軍作戦を統括する統合軍司令部であり、イラン戦争における攻撃計画と作戦の実施を担ってきた。ワシントン・ポストはクーパー氏を今回のイラン戦争の作戦設計者と位置づけ、イラン軍への攻撃を積極的に支持してきたと報じている。さらに、クーパー氏は中間選挙直前にもホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領に追加の軍事行動を提案したという。停戦後も軍事的圧力を強める選択肢を提示していたことになる。ただし、クーパー氏の責任は主に軍事作戦の設計や遂行、その後の攻撃継続をめぐるものだ。現地、指揮官として、当初目標の早期終結を達成できず、現在まで長引かせた責任は大きいだろう。

ケイン統合参謀本部議長は開戦に慎重だった

US DoW

もう一人、責任を問われる可能性が浮上しているのが、ダン・ケイン統合参謀本部議長だ。ただし、ケイン氏は開戦を積極的に推進した人物とは言い切れない。実際、開戦前の2月23日には、イラン攻撃が長期戦に発展する危険性や、米軍の精密誘導兵器・迎撃ミサイルの備蓄不足、イスラエル以外の同盟国から十分な軍事支援を得られない問題をトランプ政権に警告していた。Axiosは、ケイン氏がイラン攻撃に慎重な立場を示し、軍事作戦を自ら推奨していたわけではないと報じている。一方、戦争が始まった後の軍事助言については批判が出ている。ワシントン・ポストによれば、ヘグセス氏、クーパー氏、ケイン氏の3人は、それぞれの時期にトランプ大統領へ楽観的すぎる戦況評価を伝え、米国が負担するリスクや費用を十分に明確に説明しなかったと関係者から指摘されている。したがって、ケイン氏に問われているのは開戦を勧めた責任というよりも、戦争が長期化する中で最高軍事顧問として適切な助言を続けられたのかという点だ。

ヘグセス氏や軍幹部は更迭されるのか

中間選挙後、責任追及は具体的な人事問題にも発展している。ワシントン・ポストは11月5日、トランプ政権内部でヘグセス氏だけでなく、クーパー氏とケイン氏の更迭も取り沙汰されていると報じた。政権関係者の一人は、ヘグセス氏以上にクーパー氏とケイン氏が責任を問われる可能性があるとの見方を示している。一方、トランプ大統領はヘグセス氏について「素晴らしい仕事をしている」と評価し、続投させる意向を示している。したがって、現時点で更迭が決まった人物はいない。

ヘグセス氏については、共和党のトーマス・マシー下院議員が弾劾決議案を提出している。イランでの敵対行為を議会の承認なしに継続したことが、1973年の戦争権限法に違反するという主張だ。11月5日のワシントン・ポストは、下院での採決が翌週にも行われる可能性を報じた。また、民主党は2027年1月に議会の多数派を握ると、国防総省に対する調査や公聴会を進める方針を示している。開戦の経緯、軍事作戦の判断、戦費や議会承認の問題などが検証対象になる見通しだ。ただし、マシー議員の弾劾決議案はあくまで同議員側の法的主張であり、違法性が司法などで確定したわけではない。

問われるのは開戦を決めた政権全体の責任

今回のイラン戦争をめぐる責任は、一人の国防長官や軍司令官だけに押し付けられるものではない。開戦を政治的に後押ししたグラハム上院議員、政権内部で軍事攻撃を早期から支持したヘグセス国防長官、作戦を設計し追加攻撃を提案したクーパーCENTCOM司令官。それぞれが異なる立場から戦争に関与していた。一方、ケイン統合参謀本部議長は開戦前に軍事的リスクを警告しており、単純な開戦推進派とは区別しなければならない。それでも戦争中の軍事助言については検証が必要とされている。そして、最終的に軍事攻撃を承認し、戦争を継続する判断を下したのは最高司令官であるトランプ大統領だ。米軍の作戦も大統領の指示によって開始された。中間選挙大敗の最大の原因はトランプ大統領にある事は紛れもない事実だ。

選挙敗北を受けて国防長官や軍幹部の更迭が行われたとしても、それだけで開戦の意思決定や戦略の失敗が検証されたことにはならない。今後の議会調査では、誰が攻撃を勧め、誰が戦争の長期化を予測し、どのような情報を基に大統領が開戦を決断したのかが重要な焦点となる。共和党の選挙敗北をきっかけに始まった責任追及は、トランプ政権の対イラン政策と米国の安全保障政策全体を検証する問題へと発展しつつある。

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