MENU
カテゴリー

アメリカ陸軍が採用した超小型偵察ドローン「ブラックホーネット」

  • URLをコピーしました!
アメリカ陸軍が採用した偵察ドローンが本当に小さくてなんか可愛い

アメリカ陸軍は、地上部隊が直面する視覚的な死角を解消するため、革新的なポータブル超小型偵察ドローン「BLACK HORNET(ブラックホーネット)」の採用を決定しました。これにより、航空支援に頼ることなく、地上部隊自身が迅速かつ効果的に現場の偵察を行うことが可能になります。

歩兵部隊のための専用小型ドローン

一般的に偵察ドローンと聞くと、映画に登場するような大型の航空機型ドローンを想像するかもしれません。これらの大型ドローンは、数千、数万キロ離れた基地からオペレーターによって操縦され、モニター越しにゲームコントローラーのような操作で高高度から地上の様子を偵察します。情報収集や時には攻撃任務を遂行し、地上部隊を広範囲にわたって支援しますが、高度が高いため、屋内や密林地帯など、詳細な偵察が困難な死角が生じやすいという課題がありました。

ブラックホーネットは、このような大型ドローンの死角を補完するために開発された、手のひらサイズの超小型偵察ドローンです。歩兵部隊が携行し、共に展開することを想定しており、高高度からの偵察では難しかった建物内部や複雑な地形での死角を詳細に偵察する目的で設計されています。このドローンの操縦は、その場に展開する歩兵自身が行います。地上の兵士たちは、身を隠しながらドローンを操縦し、数十メートルから数百メートル先の情報をリアルタイムで収集します。これにより、上空からの支援なしに、敵に察知されることなく迅速な状況把握と情報収集が可能になります。操作は非常にシンプルで、最小限の訓練で誰でも容易に操縦できるよう設計されています。スペックと先進技術

ブラックホーネットは、ノルウェーのProx Dynamics社によって開発され、後にアメリカのFLIR Systems社に買収されました。このドローンは、空中センサーと地上センサーの間のギャップを埋めるべく、最先端のテクノロジーを駆使して設計されています。ポケットサイズという超小型ながら、大型飛行ドローンに匹敵する状況把握能力を備えています。

  • 飛行性能: ほぼ無音で最大25分間の飛行が可能です。これにより、敵に気付かれるリスクを最小限に抑えつつ、長時間の偵察が実現します。
  • 視覚性能: 赤外線暗視機能を搭載しており、昼夜を問わずオペレーターにライブ映像とHD静止画を提供します。これにより、どんな環境下でも高い視認性を確保します。
  • 耐久性: 最大10m/sの風速、降雨量2.5mmまでの雨の中でも飛行が可能であり、悪天候下でも任務遂行能力を維持します。

主要諸元:

  • 全長: 166㎜
  • 重量: 33g
  • 飛行時間: 最大25分
  • 速度: 6m/s
  • 風速耐性: 最大10m/sまで飛行可能
  • 雨天飛行: 降雨量2.5㎜まで飛行可能
  • 操縦範囲: 2km圏内
  • EO Vi: 640×480
  • EO Snapshot: 1600×1200
  • Thermal Imaging Vi: 160×120
  • Thermal Imaging Snapshot: 160×120

偵察用に小型化と秘匿性を最優先したため、市販の撮影用ドローンと比較するとカメラの解像度などの性能は劣ります。しかし、ブラックホーネットは撮影用ではなく、あくまで近接偵察用として設計されており、その目的からすれば十分すぎるほどの解像度と機能を有しています。

システム構成

ブラックホーネットキットは、ハンドコントローラーディスプレイユニットを備えた基地局、そして2台のドローンで構成されています。これらを合わせた総重量は約1.3㎏で、歩兵が携行する上でも問題のない軽量設計です。

現在のところ、ブラックホーネットが市販されるか、あるいは民間に販売される予定があるかについては不明です。しかし、開発元であるFLIR Systems社は日本にも支社を構えているため、興味のある方は直接問い合わせてみることをお勧めします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!