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日本の軍艦が1936年以来、90年ぶりにニュージーランドを訪問!なぜ、時間が空いた?

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日本の軍艦が1936年以来、90年ぶりにニュージーランドを訪問!なぜ、時間が空いた?

海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いせ」(DDH-182)と護衛艦「すずなみ」(DD-114)の2隻が、2025年8月6日、ニュージーランドの首都ウェリントンに入港しました。日本の軍艦が同国を訪問するのは1936年以来、実に約90年ぶりの快挙となります。この歴史的な寄港は、インド太平洋地域における日本の戦略的連携と安全保障関係を強化する重要な一歩として注目されています。

「いせ」と「すずなみ」は、「令和7年度インド太平洋方面派遣(IPD25)」に参加しており、その航海の一環としてニュージーランドを訪れました。両艦は、8月1日から3日にかけてオーストラリアのシドニーに寄港した後、ニュージーランドに向けて出発。ウェリントン港への入港時には、ニュージーランド海軍の戦略輸送艦カンタベリー(L421)の護衛を受けました。これは、両国海軍間の協力関係を示す象徴的な光景でした。

今回の訪問は、日本とニュージーランドが現在進めている防衛物流協定の締結に向けた実務的な協議と密接に連携しています。安全保障協力の具体的な表明として、ニュージーランドのコリンズ国防大臣が「いせ」艦内に招待され、両国の防衛関係の深化を強く印象付けました。

過去に目を向けると、日本海軍の艦船がウェリントンを訪問したのは1936年が最後とされていますが、具体的にどの艦船が入港したかの詳細は確認できませんでした。1932年に訓練の一環として装甲巡洋艦「浅間」および「磐手」がウェリントンを訪問した記録が確認でき、両国海軍の交流の歴史が確認できます。

1936年以降、太平洋戦争の勃発により、日本とニュージーランド間の軍事関係は極めてデリケートなものとなり、戦後も長らく軍艦の訪問は再開されませんでした。特に1987年にニュージーランドが「ニュージーランド非核地帯、軍縮、軍備管理法」を施行したことは、米国との軍事連携を冷却させ、米国と同盟関係にある日本においてもニュージーランドの優先度が一時的に低下する要因となりました。

しかし、近年、インド太平洋地域における安全保障環境が大きく変化する中で、日本はニュージーランドとの軍事協力関係の強化を改めて模索するようになりました。法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、価値観を共有するパートナーとの連携は不可欠との認識が高まったのです。今回の90年ぶりの訪問は、このような国際情勢の変化と、両国間の新たな安全保障協力関係の構築への強い意欲を明確に示しています。これは、地域全体の安定と平和に貢献するための重要な一歩となるでしょう。

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