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ブライター社が、僅か4Wの電力で15km離れた人物を検知できる国境監視レーダー発表

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©2006-2025 Blighter Surveillance Systems Limited

イギリス・ケンブリッジに拠点を置くBlighter社は、15km先の人間を検知可能なスマート国境監視レーダーシステム「Blighter B422LR」を発表した。本システムは、国境に接近する不法入国者の早期検知を可能にし、国境警備の効率化とコスト削減に寄与することが期待される。

Blighter’s New Long-Range Border Surveillance Radar Detects a Person at 15km with just 4 Watts of Power

電子走査型地上移動レーダーの設計・製造における先駆者である同社は、6月4日、僅か4ワットの電力で15km先の人物を検知できる、最長距離を誇るスマート国境監視レーダーシステム「Blighter B422LR」を発表した。同社の発表によれば、この検知範囲は、侵入者の早期発見と国境警備隊員の大幅なコスト削減に繋がるという。「15km圏内の人物」を検知可能なBlighter B422LR(長距離)国境監視システムは、現在707km²の監視範囲をカバーしており、これは東京都23区(622km²)の面積を上回る。地面を這うような小型ターゲットも6.4km先まで検知可能であり、空中ドローンや水上の対象(ボート、船舶、泳者等)も検知可能であるため、沿岸監視や離島、山岳地帯の監視にも利用できる。

低電力

静的かつ低消費電力のソリッドステート送信機を使用し、機械的な回転を必要とせずに最大360度の純粋な電子スキャンカバレッジを提供する。周波数変調連続波(FMCW)送信技術と高感度マイクロドップラー目標検出技術を組み合わせることにより、レーダーの通信帯域幅要件は小さく、従来のセキュリティレーダーシステムの送信電力のほんの一部で済むため、従来のレーダーシステムと比較して大幅な低消費電力化に成功している。必要な電力は僅か4ワットであり、これは携帯電話や現代のLED電球に必要な電力と同等である。この低消費電力、低帯域幅システムは、ソーラーパネルで動作し、追加の強制空冷を必要としないため、インフラが未整備な国境沿いの遠隔操作にも最適である。周波数変調連続波(FMCW)は微小な動き(足音/匍匐)も識別可能であり、通信帯域が狭く、妨害に強いとされる。

遠隔レーダーと指揮統制(C2)システムとの統合も容易であり、これにより、国境警備当局は共通運用状況把握(COP)、すなわち国境環境のリアルタイムかつ統一された情報を入手できる。AI支援ソフトウェアが複数のレーダーのセットアップ、構成、調整を自動化し、変化する気象条件下においても最適なパフォーマンスを発揮するため、標的検知能力を最適化すると同時に、訓練コストと運用コストを削減する。

Blighter社の共同創業者兼最高技術責任者(CTO)であるマーク・ラドフォード氏は、「この超高信頼性の長距離eスキャンレーダーは、世界の国境監視市場における当社のリーダーシップを更に強化するものです。当社のレーダーは、あらゆる天候や複雑な地形下でも、僅か4ワットの送信電力で15km離れた人物、または6.4km離れた車両を検知できるため、当社のソリューションを採用するメリットは更に高まります」と述べている。

Blighter B422LRは、「低電力で長距離」「電子スキャンで広域カバー」「AI制御で省人化」という三拍子揃った国境監視の最前線装備であり、効率的で拡張性の高いレーダー技術として世界で注目されている。

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