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ポーランドのドローン部品工場で火災 検察が「テロ・外国情報機関関与」で正式捜査、背景にロシアの破壊工作か

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©WB Electronics

ポーランド南部スカルジスコ=カミエンナにある防衛企業WB Electronics(WBグループ中核企業)の施設で8月31日未明、火災が発生した。この施設は無人機用のポンプや複合材構造体、制御関連部品を生産しており、クラクフの国家検察マウォポルスカ支部(組織犯罪・汚職対策部門)は9月1日、外国情報機関への協力と、終身刑もあり得るテロ犯罪の容疑で正式な捜査を開始したと発表した。

意図的な放火の疑い

火災は8月31日午前0時23分ごろ発生。施設は稼働しておらず、警備会社の監視員が侵入センサーの作動を確認して警察に通報した。消防5隊が出動し、約2時間で鎮火。死傷者はいない。検察は、可燃物を仕込んだ発火装置による意図的な放火の疑いがあるとしており、被害額は倉庫棟などで少なくとも1500万ズウォティ(現在のレートで約6.5億円)に上ると見積もっている。監視カメラには、火災前に覆面をした人物がフェンスを乗り越えて敷地に侵入する様子が映っており、現場付近ではバックパックや衣類も発見された。捜査は内務保安庁(ABW)や軍防諜局、ケルツェ県警と合同で進められているが、9月2日時点で身柄拘束者や立件された容疑者はいない。

内務・行政省のチェスワフ・ムロチェク次官は9月1日、「多くの状況が意図的な放火を示している」と述べ、施設の性格上「ロシアによる指示」の可能性も捜査対象になっていると明らかにした。ただし、現時点でロシアの関与を裏付ける確定的な証拠は公表されていない。

狙われた「生産基盤」、24時間以内に別の火災も

WB Electronicsは偵察無人機「FlyEye」や徘徊型弾薬「Warmate」などを手掛け、ポーランド軍とウクライナ軍双方に製品を供給する同国最大級の民間防衛企業。今回焼失したのは完成品ではなく部品生産拠点であり、破壊工作であれば無人機の生産能力そのものを狙った攻撃だった可能性がある。同社広報は、保安手順は正常に機能したとして早期の操業再開を見込んでおり、軍への納入に遅れは生じない見通しとしている。同社は2024年にトゥスク政権が指定した「戦略的企業」の一つで、ムロチェク次官は事件を受け、こうした防衛関連施設の物理的警備体制を見直し、警察の巡回を強化する方針も示した。

さらに、この火災の前日(8月30日午後)には、ルブリンでヘリコプター製造大手レオナルドのPZL・シフィドニク工場に部品供給を行う航空関連企業JFG Compositesの倉庫が全焼した。内務省報道官は両事件の関連を明言していないが「あらゆる可能性を捜査する」としている。

欧州で相次ぐ「グレーゾーン」型破壊工作

背景には、ウクライナを支援する欧州各国で相次ぐ破壊工作への警戒がある。英紙テレグラフは西側情報機関の情報として、ロシアによる一連の破壊工作がNATO第5条(集団防衛)発動の閾値を下回るよう意図的に設計されているとの見方を報じた。スロバキアでも8月25日、ウクライナ資本の偵察ドローン工場への放火を計画したとして3人が逮捕されている。

もっとも、ポーランド当局はロシアの関与を断定しておらず、実行犯や背後関係の特定はこれからだ。NATO東部の防衛産業を狙ったとみられる今回の火災が、欧州に広がる「グレーゾーン戦」の一例として位置づけられるか、今後の捜査結果が注目される。

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