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朝鮮戦争以来70年ぶり!米陸軍が韓国で情報部隊528th MICOを復活させる

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US Army

8月5日、在韓米陸軍キャンプ・ハンフリーズのロバート・フィールドにおいて、第528軍事情報中隊(MICO)の再編発足式が執り行われた。この部隊は、かつて朝鮮戦争で目覚ましい活躍を見せた歴史ある部隊であり、約70年の時を経て再びその使命を帯びることとなった。

Military Intelligence Company activated as part of ongoing military cooperation on Korean Peninsula

第528軍事情報中隊(528th Military Intelligence Company:MICO)は、米陸軍に残る最後の常駐前方駐留師団である第2歩兵師団/韓米連合師団に所属する。第2歩兵師団は、朝鮮半島における敵からの侵略を抑止し、地域の平和と安定を維持することをその主たる任務としている。万が一侵略事態が発生した際には、強固な米韓同盟の下、最前線で戦闘を展開する。

その中で、MICOは師団司令部の「目と耳」としての極めて重要な役割を担う。具体的には、敵部隊の動向、地形情報、潜在的な脅威に関する情報の収集、分析、そして迅速な伝達を行う。これにより、指揮官は「状況把握能力(Situational Awareness)」を強力に支援され、刻々と変化する戦況を正確に理解し、的確な意思決定を下すことが可能となる。今回の再編は、韓米間の相互防衛協力のさらなる強化、およびインテリジェンス能力の深化を目的とした軍事協力における重要な節目として位置づけられ、朝鮮半島における抑止力の強化に大きく寄与することが期待されている。

528th MICOの歴史は、朝鮮戦争時代にまで深く遡る。当時、彼らは第2歩兵師団の戦闘を支える不可欠な「目と耳」として、諜報・情報収集活動に献身的に従事した。釜山防衛戦、青川江の戦い、そして38度線の防衛といった主要な戦闘において、彼らが提供した情報は敵軍の撃退に大きく貢献し、戦いの流れを大きく変えるきっかけとなったと語り継がれている。

しかし、朝鮮戦争が休戦を迎えた後、米軍は現地における過剰な部隊の削減と運用体制の再編を迫られた。その結果、師団単位における複雑なインテリジェンス体制は縮小されることとなり、528th MICOも他の部隊へと統廃合される形でその活動を一時的に終えた。だが、第2歩兵師団は休戦後も重要な抑止力として韓国に駐留し続け、韓国と米国の同盟を支援し、北朝鮮からの潜在的な侵略に対する防衛態勢を維持する役割を担い続けてきた。

そして70年以上の時が経過した現在、国際的な安全保障環境は激しく変化している。ロシアとの同盟を通じて急速に軍事技術を発展させ、軍拡を図る北朝鮮の脅威は依然として高く、さらにロシアや中国といった大国との関係も複雑化の一途を辿っている。こうした激変する状況に対応するため、第2歩兵師団内に528th MICOが再び再編されることとなった。これは、現代の多岐にわたる脅威に対応するための情報収集・分析能力を強化し、朝鮮半島における米韓同盟の抑止力を一層確固たるものにしようとする、米陸軍の強い意志を示すものである。

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