

2024年10月7日、イスラエル国防省は、2年前にハマスからの攻撃を受けて開始された軍事作戦「鉄の剣」における同国治安部隊の戦死者数が1152人に達したことを発表しました。この数字は、紛争の深刻さとその人的犠牲の大きさを浮き彫りにしています。
戦死者の内訳は、イスラエル国防軍(IDF)の正規兵に加え、警察官、諜報部員、特殊作戦要員、即応部隊、および予備役隊員が含まれています。戦死者の多くはパレスチナのガザ地区での激しい戦闘によるものですが、北部レバノン国境でのヒズボラとの交戦、ヨルダン川西岸地区での衝突、さらにはイランによるミサイル攻撃による犠牲者も含まれており、紛争の広範な地理的範囲と多様な脅威を示しています。
戦死者1152人のうち、男性は1086人、女性は66人でした。年齢層を見ると、約42%にあたる487人が21歳以下と非常に若く、これはイスラエルの徴兵制度の下で兵役に就いていた若者が戦場の最前線に送られている現実を浮き彫りにしています。また、141人が40歳以上で、そのほとんどが前線で指揮を執っていた士官であるとされています。少なくとも6人の大佐を含む100人以上の佐官クラスの戦死が確認されており、指揮官的立場の兵士にも甚大な被害が出ていることが示唆されます。イスラエルの徴兵制度では、18歳以上の全てのユダヤ系国民に兵役が義務付けられており、男性は32カ月、女性は24カ月の兵役義務が課せられます。兵役終了後も40歳まで予備役となり、有事には召集されます。
この紛争によって生じた遺族は6500人以上に上り、その内訳は親族約1973人、未亡人351人、孤児885人、兄弟姉妹3481人となっています。イスラエル政府は、これらの未亡人、孤児、その他の親族に対し、住宅、カウンセリング、財政、個別支援といった多岐にわたる支援を提供しており、戦死者とその家族への社会的なサポートの重要性が強調されています。
それに対し、ガザの保健当局によると、イスラエルの進攻が始まってから、今年10月5日までの時点でガザでの犠牲者は6万7000人を超えたと発表。そのうち子供が2万人以上となっています。
現在、アメリカ主導の和平案のもと、イスラエルとハマス間で停戦交渉が進められています。この和平案は、合意から72時間以内にハマスが全ての人質を引き渡し、その後イスラエルがパレスチナ人の囚人を釈放し、イスラエル軍が段階的にガザから撤退するという内容です。ハマス側も和平案に同意する意向を見せているものの、戦闘は依然として続いており、死者は今後も増加する可能性があります。この状況は、和平への道のりが依然として困難であり、多くの不確実性を抱えていることを示唆しています。
