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ロシア、新型対戦車火器「RPG-29M」公開 旧型RPG-29から大幅改良

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©Rostec

ロシアの国営防衛企業ロステック(Rostec)傘下の輸出機関であるロソボロンエクスポート(Rosoboronexport)は、2026年2月にサウジアラビア・リヤドで開催された国際防衛展示会「World Defense Show 2026」において、最新型の携行対戦車ロケットランチャー「RPG-29M」を世界で初めて公開しました。同社は、この新型兵器をロシア自国軍の近代化および国際的な輸出市場における主要装備として積極的にアピールしています。

新型「RPG-29M」のスペック

この「RPG-29M」は、1989年にソビエト連邦時代末期にソ連軍に採用され、その圧倒的な火力と信頼性から、携行式対戦車ロケットランチャーの歴史における傑作の一つとして国際的に高く評価されてきた「RPG-29 ヴァンピール(Vampir)」をベースに、抜本的な近代化を施した後継モデルです。本新型モデルの開発における主眼は、単に旧型を焼き直すことではなく、現代の複雑で進化し続ける戦場環境に確実に対応できる能力を付与することにあります。具体的には、従来のモデルと比較して、戦場での運用性、命中精度、そして多様な目標に対応できる汎用性の三点において、飛躍的な向上が図られています。これにより、「RPG-29M」は、最新鋭の複合装甲を持つ戦車や、要塞化された陣地、さらには軽装甲車両といった多様な脅威に対し、効果的な迎撃能力を提供することが期待されています。

特徴

この新型ランチャーの最も注目すべき改良点は、以下の通りです。

  1. 大幅な軽量化とコンパクト化:
    旧モデルの「RPG-29」は、その高い火力と引き換えに、発射装置本体が約12kgという重さと最大1.85mという長い全長が携行性・機動性の課題として指摘されていました。新型「RPG-29M」では、新素材の採用や設計の見直しにより、本体重量を約4.4kgまで削減し、全長も約620mmにまで短縮することに成功。これにより、歩兵一人での携行性が格段に向上し、狭隘な都市環境や迅速な機動が求められる状況での運用が容易になりました。
  2. 高性能照準システムと射撃管制機能の初採用:
    従来のRPGシリーズがシンプルな光学照準器に頼っていたのに対し、RPG-29Mでは現代的な射撃管制システム(FCS)が初めて統合されました。
    • 熱画像照準器(サーマルサイト)を標準装備し、昼夜を問わず目標の識別と追跡を可能にしました。最大8倍のデジタルズームにより1,500m先の人員を検知可能です。
    • レーザー測距機能が組み込まれたFCSは、目標までの距離を正確に測定し、風向きや弾道特性を考慮に入れた自動的な照準補正を提供します。これにより、射手の練度によらず、特に長距離での命中精度が劇的に向上しました。
  3. 拡大された弾薬互換性と汎用性:
    RPG-29Mは、口径105mmの多種多様な弾薬に対応しています。
    • タンデムHEAT(成形炸薬)弾PG-29VM: 爆発反応装甲(ERA)を装備した最新鋭の重装甲戦闘車両に対しても高い貫徹能力を発揮します。射程は700m。
    • 熱圧(サーモバリック)弾TBG-29VM: 陣地、掩蔽壕、建物内部の敵兵力や非装甲目標の制圧に効果的です。爆発時に広範囲にわたり高熱と急激な圧力変化を発生させます。射程は1000mと前モデルの最大射程の倍です。
    • 多機能弾MG-29V: 対人・対軽装甲など、特定の戦闘状況に対応する多様な弾頭が利用可能となり、装甲目標からソフトターゲットまで、幅広い脅威に適応できるようになりました。

旧型「RPG-29」は1980年代末にソ連軍で採用されて以来、その強力な破壊力から世界中の紛争地域で使用されてきました。特に、現代の主力戦車をも貫通し得るほどの重装甲への貫徹性能は高く評価されてきましたが、前述の通り、その重量とサイズは運用上の制約となっていました。新型「RPG-29M」は、旧型の持つ強力な火力を維持しつつ、現代の歩兵戦闘、特に非対称戦闘や都市部での近接戦闘(MOUT)における要求事項に応えるべく、携行性と射撃精度を大幅に高めた設計となっています。これにより、歩兵部隊が戦車や強固な防御陣地に対して、より機動的かつ効果的に対処するための戦術的な選択肢が大きく広がると期待されています。

ロステックは、この「RPG-29M」を国際市場における主力輸出装備の一つとして位置づけています。「World Defense Show 2026」での世界初公開は、特に中東、アフリカ、アジア諸国といったロシア製兵器の主要な潜在顧客に対して、最新技術と装備供与の可能性を強く示唆するものです。ロソボロンエクスポートは、単なる装備の販売だけでなく、顧客国との技術協力や共同生産の可能性も積極的に提示していく方針です。専門家は、軽量で高性能なRPG-29Mのような携行型対戦車兵器の登場が、現代の戦場における歩兵部隊の能力を根本的に変えうるものと分析しています。しかし、その真の価値と信頼性は、今後の実戦環境での評価と運用実績によって最終的に証明されることになります。また、ウクライナと戦争中の中、RPG-29Mの量産、開発が順調に進むのかは疑問であり、ロシア軍で実際に使用されているという情報は現状、確認できていません。

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