
ロシア軍は特殊部隊スペツナズに向けに最大7キロの射程を有する新しいスナイパーライフル「DXL-5」を開発しているとロシアメディアが報じた。
DXL-4の後継器
DXL-5は現在、特殊部隊に配備されている「DXL-3ロングストライク」「DXL-4セバストポリ」の後継器とされている。このDXLシリーズはロシアの銃器メーカーであるロバエフアームズ(lobaevarms)社によって開発製造されている。配備中のDXL-4は1.5キロから最大2.5キロの射程を擁しており、他国のスナイパーライフルと比較しても高い性能を擁している。更にロバエフ社は今年に入りSVLK-14S(トワイライト)という有効射程3キロ、最大射程4キロの超長距離狙撃ライフルを発表しており、SVLK-14Sは非戦闘下で4,170mの射撃に成功している。
しかし、「DXL-5」はそれらを大幅に凌駕する最大射程7キロを予定しており、世界に類を見ないスナイパーライフルになる予定だ。早ければ2021年初頭には完成し、同年内には部隊に配備することを目標している。
7キロもどうやって照準する
スナイパーが狙う標準距離は1000メートル前後といわれている。2000メートル前後が現在のスナイパーとライフルの限界といわれてはいるが、2017年にはカナダ軍のスナイパーが3.45キロの狙撃を成功させている。2000メートルで発射からターゲットへの到達まで6~8秒、4000メートルで13秒かかるといわれており、どんなに射手の技術、銃の精度が高くてもその間にターゲットは動くかもしれなく、距離が長ければ長いほど弾丸は風などのさまざまな気候の影響を受けて弾道は変化する。射撃を成功させるには、それを考慮して緻密な計算が必要で時には数分~数十分かかることもある。
ロバエフ社はこれらの課題をクリアするために専用の弾薬を開発している。威力は12.7×99 mm弾と12.7×108 mm弾超え、初速はマッハ4~5を超え、風の影響を少なくさせるためには自ずと弾丸は大きくなる予定だ。精密弾丸は3000mで1.16度の誤差に抑える予定だ。また、7キロ先の標的を捉えるためには特別な光学機器も必要になってくる。ロシアではサイトを通して射手に標的までの距離など必要な情報を自動的に計算してくれるコリメータ照準器を開発している。
https://ria.ru/20200607/1572579354.html
http://lobaevarms.com/