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米露首脳会談の仕返し?ロシア軍偵察機が5日間でアラスカADIZに3度侵入

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8月20日から24日にかけて、ロシアの偵察機Il-20M CootがアラスカのADIZ(航空防衛識別圏)に3回飛来しました。この一連の動きに対し、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、「この種のロシア軍機のADIZ侵入は定期的にあるもので、脅威とはみなされない」と繰り返し強調しています。しかし、この短期間での頻繁な飛来は異例であり、地域情勢の不安定化を示唆する象徴的な動きと見なされています。

U.S. fighter jets scrambled multiple times to intercept Russian spy plane off Alaska

この偵察機の飛来は、8月15日にアラスカで米露首脳会談が開催されてからわずか一週間後の出来事でした。ロシア空軍のIl-20M Coot偵察機がADIZに3回も飛来したことを受け、米国とカナダの合同防衛組織であるNORADは即座に対応しました。具体的には、F-16戦闘機、E-3 AWACS早期警戒機、KC-135空中給油機などをスクランブル発進させ、ロシア機の動向を監視しました。幸いにも、ロシア機は国際空域内にとどまり、米国領空への侵犯は確認されませんでした。

NORADは、ロシア軍機のADIZへの侵入が常態化しており、特に最近に限った動きではないと説明しています。NORADの記録によれば、年間平均で6~7件、多い年には15件ものロシア機飛来が確認されています。しかし、今回の5日間で3度の飛来という頻度は、これまでのパターンから見て明らかに異例です。

この異例の頻度は、アラスカで米露首脳会談が行われた直後であるという背景と結びつけて解釈されています。専門家は、ロシアがこの一連の行動を通じて、米国に対し「妥協しない」という強いメッセージを送っている可能性を指摘しています。また、首脳会談時に米国がB-2爆撃機やF-22、F-35両ステルス機といった軍事力を誇示したことに対する反発であるとの推測もなされています。ロシアのこの行動は、単なる偵察活動に留まらず、地政学的な駆け引きの一環として、米露間の緊張関係を示唆するものとして国際社会から注目されています。

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