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    なぜ今?生産終了したSu-25をベラルーシが再生産へ ロシアとの軍需協力で進む驚きの計画

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    Photo: Oleg Karseev, Kommersant

    ベラルーシが、旧ソ連時代に設計されたSu-25攻撃機を自国で生産する構想に、一歩近づきつつある。2026年9月、ベラルーシの独立系調査団体BELPOLが、西部バラノビチにある第558航空機修理工場(558 ARZ)が、ロシア向けSu-25攻撃機の部品を製造し、最終組立までベラルーシ領内で行う準備を進めていると報告した。ベラルーシ国家軍事産業委員会によれば、同工場は延べ床面積2万平方メートルを超える新工場棟を建設済みで、最初の新棟は航空機部品の組立エリアだという。

    ベラルーシ側が2026年9月に明らかにした内容では、558 ARZはSu-27、Su-30、MiG-29、Be-200、Tu-214、Il-76MD-90A、MS-21、LMS-901「バイカル」、そしてSu-25向けの部品・組立品を製造する能力をすでに保有しており、部品製造契約は18社との間で70件を超える。ただし現時点で「ベラルーシ製Su-25の量産が始まった」と書くのは早い。確認されているのは、部品・組立品の生産能力が整備されつつあるという段階だ。

    2023年に示された構想が具体化

    この話は突然出てきたものではない。2023年2月17日、モスクワでのプーチン大統領との会談で、ルカシェンコ大統領は「ロシアの技術移転があれば、ベラルーシの航空産業はロシア軍向けにSu-25を生産できる」と述べた。より重要なのは、その2か月後の続報だ。2023年4月、駐ロシア・ベラルーシ大使のドミトリー・クルトイ氏は、この計画が具体的にはSu-25の「最終組立」を指すと説明。ロシア側はすでに技術資料をベラルーシに提供しており、ミンスク側は航空機エンジンの製造から完成機の組立へと段階を進めたい考えだと語った。つまり今回の558 ARZの動きは、3年前に示された構想の延長線上にある。

    分断された生産基盤

    Su-25は1975年2月22日に試作機が初飛行し、1978年にジョージア(当時グルジア)のトビリシで量産に入った。単座の基本型は1978〜89年にトビリシ第31工場で582機が生産され、輸出型Su-25Kは1984〜89年に180〜185機が別途製造された。生産拠点はトビリシ一極ではなく、ロシア国内にも複座型のラインが存在。複座の練習戦闘機型Su-25UB/UBKとSu-25UTGは、ロシアのウランウデ航空工場が主に担当した。ただしソ連崩壊後、Su-25の量産は事実上終息し、トビリシ工場はロシア軍への供給を停止。ロシアは既存機の修理・近代化・再生に軸足を移した。生産終了はジョージアで2010年、ロシアで2017年とされ、総生産数は1,000機を超える。いずれにせよ、2つあった工場は既に生産停止。いま「新しく作る」には、機体構造、部品、治工具、品質管理、サプライチェーンを改めて組み直す必要がある。修理と新造は別物だ。

    なぜSu-25なのか

    Su-25の設計思想は、速度やステルス性ではなく頑丈さと整備性に振られている。チタン装甲で覆われたコックピットにより、携帯式防空ミサイルの直撃を受けても帰還した例が複数知られる。武装は2砲身の30mm機関砲GSh-30-2と、Kh-25/Kh-29空対地ミサイル、無誘導ロケット弾、各種爆弾など最大4.3トン級(資料により4,400kgとも)の外部搭載。前線近くの未舗装飛行場からも運用できる。一方で、センサー、電子戦、ネットワーク能力では現代機に大きく見劣りする。ウクライナでの戦いでは高性能防空網の前に低空侵入が困難となり、距離を取ってロケット弾を放り上げる運用が常態化した。仮に新造機を作るなら、航法・通信・電子戦・照準系の近代化は避けて通れない。558 ARZはブルガリアやカザフスタン向けにSu-25の近代化改修(Su-25BM)を手がけた実績があり、素地はある。

    本質は「旧式機の復活」ではない

    この動きは、Su-25という機種だけを見ると意味を取り違える。核心は、ロシアとベラルーシの防衛産業協力が、兵器の輸出入から生産工程そのものの共有へ移りつつあることだ。米戦争研究所(ISW)も2026年9月、BELPOLの調査を引用しつつ、ベラルーシの防衛産業がロシアの軍需生産にいっそう取り込まれていると分析した。もっとも、冷静な見方も必要だ。ISWは2023年時点で、Su-25の追加生産も部品も、ロシアの長期戦遂行にとって決定的に重要な物資とは言えないと評価していた。この指摘は今も有効で、より本質的なのは、ソ連崩壊で断ち切られた航空機産業のサプライチェーンを、両国が現代の軍事需要に合わせて再構築しようとしている点にある。

    Su-25は2025年に初飛行から50年を迎えた。長期戦では、最新鋭であることより「量産できるか」「修理できるか」「既存の兵站と整備員を使えるか」が効いてくる。558 ARZがどこまでの部品を作り、ロシアがどこまで技術を渡し、最終組立に到達するのか。半世紀前の攻撃機が再び工場から現れるかどうかは、今後の検証を待つ必要がある。

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