
映画『ジョン・ウィック:パラベラム』でジョン・ウィックが使用した銃として、一躍有名になったSIG SAUER社の「SIG MPX PCC」。SIG社の技術を集約した銃であり、次世代を担うPCC(ピストルキャリバーカービン)・SMG(短機関銃)です。
SIG MPX
SIG MPXはアメリカの銃器メーカーSIG SAUER(シグ ザウエル)社によって2013年に設計され2015年に販売されたSIG社初のPCC・SMGです。ピストル弾である9x19mmパラベラム弾を使用。バレルを交換することでより強力な.357SIG弾、.40S&W弾と異なるサイズの弾丸を使用することもできます。クローズドボルト作動方式を採用し、これによりチャンバー内に異物が入ることを防ぎ、消音効果もあげています。反動を減らすSIG Sauer独自のショートストロークプッシュロッドガスシステムを備え連射時でも命中精度に優れています。MP5に代わる次世代のSMG(短機関銃)としての評価は高く、米軍は勿論、タイやインドネシアの警察、シンガポール軍の特殊部隊など10以上の軍や法執行機関に採用されており、今後もシェアを伸ばすことが期待されています。
SIG MPXのバリエーション
現在3つのバリエーションのSIG MPXが展開されています。
SIG MPX PCC

PCC(ピストルキャリバーカービン)はジョンウィックが使っているモデルになります。全長は長くAR-15ライフルに近いデザインです。 折り畳み式伸縮ストックに左利きに対応するアンビシステム、ハンドガードにはM-LOKシステムを採用し、スリムと軽量化を実現しています。
全長:895mm(ストックを畳んだ状態)
銃身:406mm
重量:3㎏
装弾数:30発
SIG MPX K

2019年に発売されたSMGモデル。Kはドイツ語の「Kurz(クルツ)」の頭文字になり「短い」という意味です。ストックは折りたたみ式になり、コンパクトなサイズに納めることができます。
全長:565mm(ストックを畳んだ状態)
銃身:114mm
重量:2.3㎏
装弾数:30発
SIG MPX COPPERHEAD

COPPERHEAD(カパーヘッド)は北アメリカ東部に生息する毒ヘビの名前です。究極までにコンパクト化を図り、Kよりもさらに短縮化を実現しています。一体型の2段階伸縮ストックにマズルブレーキを備えた3.5インチバレルの銃身はハンドガンよりも短かくなります。秘匿携行に優れており、警護向けです。
全長:368mm(ストックを畳んだ状態)
銃身:89mm
重量:2㎏
装弾数:10 or 20発
ジョン・ウィックとSIGの関係
SIG SAUER社はここ数年、ハリウッド映画・ドラマへの銃器提供に力入れており、数々の映画に採用されています。最近であれば映画『マイル22』や『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』など。ジョンウィックとSIGのコンビも今回が初めてではありません。前作の『ジョン・ウィック2』ではジョンはP320を使っており、敵の中にはSG551、SG552を使用している者もいました。 『ジョン・ウィック:パラベラム』 ではジョンのMPXとは別にソフィア(ハル・ベリー)はP365ハンドガンを使用しています。
https://www.sigsauer.com/products/firearms/rifles/sigmpx/
https://www.sigsauer.com/products/airguns/rifles/
https://en.wikipedia.org/wiki/SIG_MPX