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米海兵隊最古の飛行隊「レッドデビルズ」が岩国基地に配備!最後のF/A-18レガシーホーネット部隊

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USMC

「レッドデビルズ」の愛称で広く知られる米海兵隊第232戦闘攻撃飛行隊(VMFA-232)が、この度、山口県の岩国基地に配備されました。この部隊は、海兵隊航空隊の中でも最も長い歴史と、数々の輝かしい勲章を授与されてきた実績を持つ精鋭部隊であり、今後の運用において最後のF/A-18C/Dホーネット(通称:レガシーホーネット)を運用する飛行隊となる予定です。

2025年9月8日、カリフォルニア州ミラマー海兵隊航空基地に所属するVMFA-232(愛称:Red Devils)が、ユニット配備プログラムの一環として岩国基地へと展開しました。この配備は、第1海兵航空団傘下の第12海兵航空群に加わる形で実施され、これまで同地域で運用されてきたVMFA-214(愛称:Black Sheep)の後任として、インド太平洋地域における重要な作戦支援任務を担うことになります。

このローテーションは、米海兵隊がアジアにおける前方展開航空プレゼンスの維持に継続的に注力していることを明確に示しています。しかしながら、今回の交代には異例の側面があります。前任の「ブラックシープ」は最新鋭のF-35C戦闘機で構成されていたのに対し、後任の「レッドデビルズ」は旧型のF/A-18C/Dホーネットを運用しているため、最新機種から旧型機種への置き換えという珍しいケースとなっています。海兵隊全体としてはF-35B/Cへの機種転換を推進しており、他のF/A-18C/D部隊は順次退役が進められています。このような状況下で、「レッドデビルズ」が最後のレガシーホーネット飛行隊となることは、その部隊の歴史的意義と現在の役割の特異性を際立たせています。

「レッドデビルズ」の輝かしい歴史と実績

レッドデビルズのF-4ファントムII ※ベトナム戦争時(Richard Rash/NASM)

「レッドデビルズ」飛行隊は、アメリカ海兵隊航空隊の中で最も歴史が古く、最も経験豊富であり、最も多くの勲章を授与されてきた戦闘部隊として知られています。1925年に設立された彼らは、1930年代に現在の「Red Devils」という愛称を採用しました。太平洋戦争では、ガダルカナルやフィリピンにおける激戦に参加し、その後の朝鮮戦争、ベトナム戦争、1991年のイラク戦争(湾岸戦争)、2002年のイラク戦争、そして世界対テロ戦争といったアメリカの主要な戦争のすべてに参加してきました。

彼らの専門は、地上部隊を直接支援する近接航空支援(CAS)と、敵の航空機を排除する制空任務にあり、その歴史の中で数十名ものエースパイロットを輩出し、数千回に及ぶ実戦出撃を記録しています。海兵隊の中で最も優れた戦闘機飛行隊の一つと評される一方で、その機体の更新は必ずしも迅速ではありませんでした。海軍と海兵隊の大部分がF/A-18ホーネットを装備していた1988年当時でさえ、「レッドデビルズ」は依然として旧式のF-4ファントムII戦闘機を運用していました。ようやく1989年になってF/A-18ホーネットへの更新が開始され、それ以来、彼らはレガシーホーネットを運用し続けています。

レガシーホーネットの終焉とF-35への移行

現在、海兵隊内でF/A-18ホーネットを運用しているのは、「レッドデビルズ」を含めてもわずか4飛行隊のみです。既存のホーネット部隊の機体は、全て2029年頃までにF-35Cへの移行が予定されており、これにより「レッドデビルズ」は名実ともに最後のF/A-18C/Dホーネット部隊となる見込みです。岩国基地での海兵隊員の標準的な任務期間は24~36か月とされるので、最後の前線配備かもしれません。

海兵隊は、垂直離着陸(STOVL)が可能なF-35Bを280機、空母艦載型のF-35Cを140機調達する計画を進めています。最終的には、12個のF-35B飛行隊と8個のF-35C飛行隊からなる体制を構築し、航空戦力の近代化を完了させる予定です。この大規模な機種転換が進む中で、「レッドデビルズ」が最後のレガシーホーネット飛行隊として果たす役割は、過去の栄光と来るべき未来をつなぐ、歴史的な橋渡しとなることでしょう。

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