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AIM-120空対空ミサイルを日本国内で組み立てへ!米国が日本に生産拠点を設ける理由

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US Navy

米国製の中距離空対空ミサイル「AIM-120 AMRAAM(アムラーム)」について、日米両政府は2026年10月28日、日本国内に最終組立・検査施設を設置することで合意した。小泉進次郎防衛大臣とピート・ヘグセス米戦争長官がフィリピンで会談し、日米の防衛産業協力の具体的な成果として発表したものだ。今回の合意は、日本が米国製ミサイルを購入するだけでなく、その生産工程にも関与することを意味する。航空自衛隊のF-35などが使用する重要な空対空ミサイルについて、国内に生産拠点を設けることで、日米双方の調達基盤を強化する狙いがある。

日本国内にAMRAAMの最終組立・検査施設を設置

今回の合意は、日米の防衛装備・技術協力を推進する「オペレーション・スーパーチャージ」の一環である。小泉防衛大臣は10月28日、フィリピンで開催された日米防衛相会談後の記者会見で、F-35に不可欠な空対空ミサイルAMRAAMについて、日本国内に最終組立・検査施設を設置することで合意したと発表した。今回の合意に先立つ2026年4月には、日本の三菱電機が米レイセオンとAMRAAMの共同生産に向けた具体的な協議を進めることを発表していた。三菱電機が関与を目指しているのは、ミサイルに搭載される電子回路基板(CCA)の製造と、最終組立・検査(FACO)である。今回の日米合意によって、国内FACO施設の設置が正式に決まったことになる。ただし、これはミサイル全体を日本国内で一から製造する全面的なライセンス生産とは異なる。推進装置や弾頭、誘導装置などの構成品をどこまで国内製造するのか、また生産施設がいつ稼働するのかについては、今後の詳細発表を待つ必要がある。

AIM-120 AMRAAMとは? 現代の空中戦を支える中距離空対空ミサイル

USAF

AIM-120 AMRAAMは、米国のレイセオンが開発・製造する中距離空対空ミサイルで、1980年代に開発され、1991年に米空軍で運用が始まった。最大の特徴は、アクティブ・レーダー誘導方式を採用していることだ。AIM-7スパローなどのセミアクティブ・レーダー誘導ミサイルは、発射した戦闘機が目標をレーダーで照射し続ける必要があった。一方、AMRAAMはミサイル自身にレーダーを搭載しており、飛翔の終盤には自ら目標を捕捉して追尾できる。発射後は慣性航法を基本として目標方向へ飛翔し、必要に応じて発射母機からデータリンクで目標情報を受け取る。そして目標に接近すると、搭載レーダーによる自律誘導に移行する。これによって発射した戦闘機は、ミサイルが命中するまで目標を照射し続ける必要がなくなり、回避行動を取ったり、別の敵機への攻撃に移ったりできる。また、複数の目標に対してミサイルを発射できるため、現代の戦闘機による視程外戦闘(BVR)を支える代表的な兵器となっている。

AIM-120の性能

AMRAAMは開発後も改良が続けられ、AIM-120AからB、C、Dへと発展してきた。最新世代のAIM-120D-3では、電子機器やソフトウェアの更新などによって能力がさらに強化されている。AMRAAMの射程は型式によって大きく異なる。初期のAIM-120A/Bは、公開資料ではおおむね数十km級の射程を持つミサイルとして紹介されている。その後、AIM-120Cシリーズで性能が向上し、AIM-120Dでは誘導システムや飛翔性能の改良によって、さらに長い射程を獲得した。最新型のAIM-120D-3については、射程の正確な数値は公表されていない。公開情報では160km前後、あるいはそれ以上とする推定も見られるが、確定した公式性能値として扱うことはできない。速度についても、公式資料は機密扱いとしている。一方、米空軍博物館の旧型AMRAAMに関する解説ではマッハ4と紹介されている。

最新型AIM-120D-3の特徴

AIM-120Dは従来型から射程、命中精度、電子妨害への対抗能力などを強化したモデルである。GPSを利用した航法支援や改良されたデータリンクなどを採用し、長距離交戦時の能力を高めている。さらにAIM-120D-3では、Form, Fit, Function, Refresh(F3R)と呼ばれる電子回路基板の更新などが進められた。旧式化した電子部品を刷新し、ソフトウェアの改良と合わせてミサイルの性能を維持・向上させる取り組みである。2023年には米空軍がAIM-120D-3の最終試験射撃の完了を発表しており、2024年には新しいソフトウェア構成の導入も進んでいる。

日本も最新型AMRAAMを最大1,200発調達する計画

日本にとってAMRAAMは、すでに重要な調達対象となっている。2025年1月、米国防安全保障協力局(DSCA)は、日本へのAIM-120D-3およびAIM-120C-8の売却について、米国務省が承認したと発表した。対象となるのは最大1,200発で、関連装備や予備部品、技術支援などを含めた推定総額は36億4,000万ドルだった。D-3とC-8はいずれも改良型AMRAAMであり、日本が今後の航空戦に備えて、比較的新しい世代の空対空ミサイルを確保しようとしていることが分かる。航空自衛隊ではF-35Aなどの戦闘機が運用されており、AMRAAMはこうした航空戦力の重要な武器となる。

米国が生産能力の拡大を急ぐ理由

今回の合意の背景には、米国におけるミサイル需要の増大と生産能力の強化がある。ロシアによるウクライナ侵攻以降、精密誘導兵器の消費と各国の備蓄不足が問題となり、米国はミサイルの生産能力を引き上げている。AMRAAMは戦闘機から発射する空対空ミサイルであるだけでなく、地上配備型防空システムNASAMSでも使用される。航空戦と地上防空の双方で必要とされるため、需要が集中しやすい兵器でもある。米国では2026年、AMRAAMの生産能力を年間少なくとも1,900発に引き上げる方針が示され、さらに最大207億ドル規模の複数年契約も締結された。こうした状況で日本国内に最終組立・検査施設を設けることは、米国だけに依存しない生産基盤の構築にもつながる。

日本の防衛産業と航空自衛隊にとっての意味

国内施設の設置によって期待されるのは、ミサイル調達の安定化と日本の防衛産業基盤の強化である。空対空ミサイルは航空戦で消費される装備品であり、戦闘が長期化すれば継続的な補充が必要になる。国内に最終組立・検査能力を持つことで、日米双方の生産・供給体制に柔軟性を持たせられる可能性がある。また、三菱電機などの国内企業が製造工程に関与することで、電子機器や品質管理に関する技術・ノウハウの蓄積も期待できる。ただし、最終組立施設が設置されるだけで、米国からの部品供給に依存しなくなるわけではない。国内生産の規模や主要部品の調達先、米国との技術情報共有の範囲などが、実際の効果を左右する。今回の合意は、日本の防衛産業が米国との共同生産を通じて、同盟国の防衛装備供給網に関与する動きの一つである。AMRAAMの国内生産体制がどこまで拡大するのか。施設の建設場所や稼働時期、製造範囲、生産数量など、今後の具体化が注目される。

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