MENU
カテゴリー

バレット社が開発した革新的30mmグレネードランチャーが米陸軍のコンペティションで優勝

  • URLをコピーしました!
© 2025 BARRETT 

2025年5月22日、アメリカ陸軍はxTech Soldier Lethalityコンペティションの結果を発表し、Barrett Firearms社とMARS Inc.の共同チームが開発した30mm精密グレネーダーシステム(PGS)が優勝した旨を公表した。当該システムは、兵士の殺傷能力向上を目的とする新型兵器システムであり、特に遮蔽物に隠匿した敵兵や近距離の無人航空機(UAS)に対する迅速且つ正確な交戦能力を付与するものである。

Barrett and MARS Inc. team win U.S. Army xTech Soldier Lethality Competition with revolutionary 30mm Precision Grenadier System

アメリカの銃器メーカーであるBarrett Firearms社は、MARS Inc.との共同開発による30mm精密グレネーダーシステム(Precision Grenadier System, 以下PGSと略記)が、アメリカ陸軍が主催するxTech Soldier Lethalityコンペティションにおいて優勝した旨を発表した。両社が組織した合同チームは、僅か6か月という短期間で、アメリカ陸軍が提示したPGSに関する要求事項を充足する新型30mm擲弾ライフルシステムの設計、構築、試験、並びにその有効性の実証を達成した。PGSは、兵士が携行可能な肩撃ち式、半自動、マガジン給弾式の統合型兵装システム(武器、弾薬、射撃管制装置を含む)であり、35メートルという近距離から500メートルを超える遠距離の目標に対する攻撃を目的として開発された。より迅速かつ正確な交戦を可能にする平坦な弾道を実現し、長距離における弾丸の飛行時間を短縮することを目標としている。従来のグレネードランチャーでは対処が困難であった、遮蔽物に隠れた人員目標や近距離の無人航空システム(Unmanned Aircraft System, 以下UASと略記)目標を破壊することを可能にする。


© 2025 BARRETT 

PGSは、アサルトライフルを基盤として設計されており、全ての兵員にとって操作に習熟した構造を有している。銃身後部にはバットストックが、中央部には30x42mmグレネード弾を5発装填可能なマガジンが備えられている。全長は861mm、銃身長は305mm、重量は僅か6.3kgと小型であり、ピカティニーレールが装備されているため、多種多様な光学機器の搭載が可能であり、汎用性に秀でたグレネードランチャーである。

特筆すべきは、MARS Inc.が開発したSquad Support Rifle System(SSRS)である。当該システムは、長リコイル動作と特許取得済みの空気圧ダンパーを採用し、高速発射される30mm弾の反動を軽減する。また、多種多様な弾薬の発射及びプログラミングを可能とする。空中炸裂型高性能爆薬(HE)は、遮蔽物の背後に潜む敵に対し有効性を発揮し、近接信管付きHE弾は、現代の歩兵にとって最大の脅威である無人航空機(UAS)への近距離対処能力を提供する。接触起爆型HE弾は、従来どおり軽装甲標的に対し直接命中による効果を発揮する。更に、近距離戦(CQB)にも対応しており、近接戦闘用弾(CQBラウンド)は、狭隘な空間における戦闘に特化した設計となっている。これらの弾薬群により、兵士は様々な戦闘状況に適応し、戦場における優位性を確立することが可能となる。

「今回の受賞は、弊社の技術力は勿論のこと、パートナーシップ、俊敏性、そして共通の使命の重要性を示すものであります。米陸軍と協調し、兵士の殺傷能力を飛躍的に向上させられることを大変光栄に思います。」と、バレット社の事業開発・販売担当副社長であるライアン・クランツ氏は述べている。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ミリレポ編集部中の人
世界の軍事情報、最新兵器、安全保障、ウクライナ情勢になどについて発信します。

関連