
2019年12月に採用が決まり、2020年度から水陸機動団、即応機動連隊などを優先して徐々に配備が始まっている陸上自衛隊の銃火器の新装備。この3つの銃火器について紹介する。
20式小銃

これまで約30年以上に渡り自衛隊の主力小銃として使用されてきた「89式5.56mm小銃」にとって代わる新しい小銃として2019年に採用が決まった。開発生産するのはこれまで「64式7.62mm小銃」「89式5.56mm小銃」の開発製造を担い日本の銃産業を引っ張てきた豊和工業だ。20式小銃では現代のアサルトライフルの主流になっているレールシステムが搭載されており、これによりスコープやサイトといった各種照準器やフラッシュライトの装着が容易になり、拡張性が向上している。銃もカービンと言われる全長が短いモデルで、且つ、ストックは調整可能なチークパッドに5段階の伸縮式で体格や状況に合わせた形で調整ができる。マガジンはポリマー製で半透明の窓が付き残弾が確認しやすくなるど、各段に性能がアップし、各国の軍の小銃に引けをとらない性能になった。
GLX160 A1

20式小銃のハンドガード下部にはピカティニーレールが配備されており、これにより小銃にグレネードランチャーがアドオンできるようになって新しく導入されたのがイタリアのベレット社が開発するグレネードランチャー「GLX160 A1」だ。世界ではアッタチメント式のグレネードランチャーが主流だが、これまで自衛隊は銃口にグレネードを装着して発砲する「06式小銃てき弾」を使用してきた。銃口に擲弾を装着するため、使用する間は小銃として使えない、その上、銃への負担も大きかった。GLX160 A1の採用により、これらは改善されるだろう。
SFP9

20式小銃に採用に合わせて拳銃もリプレースされた。採用されたのはドイツのヘッケラー&コッホ(H&K)社が開発した「SFP9」。アメリカでは「VP9」とも呼ばれている。これまで使用してきた「SIG220」から置き換わる。SFP9は現在、ハンドガンで主流の”ストライカー式”を導入している。銃後部にあるハンマーを無くしたことで、設計を簡素化、故障を防ぎ、メンテナンスを向上させている。装弾数は15発と大容量化している。20式小銃同様にレールシステムが配備され、フラッシュライトが装着できる。
ハンドガンで主流のストライカー式とは?ハンマー式との違いは?