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L3がマルチプラフォームから発射可能な安価なミサイル「Wolf pack」を発表

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L3ハリスは、さまざまなプラットフォームから発射可能な、運動エネルギー弾「Red Wolf」、電子戦機能を搭載した「Green Wolf」という2つのタイプからなる「Wolf Pack」ミサイルシステムを発表しました。

L3ハリスは、多用途性と費用対効果を兼ね備えた革新的なミサイルシステム「Wolf Pack」を発表しました。このシステムは、運動エネルギー弾「Red Wolf」と電子戦機能搭載の「Green Wolf」という2つの主要なタイプで構成されており、それぞれが特定の作戦目標に対応するように設計されています。

「Wolf Pack」は、L3Harrisが展開する多用途車両ファミリーの最初の製品群であり、航空機、地上車両、海上プラットフォームといった多様な発射プラットフォームからの統合と発射が容易に行えるように設計されています。この汎用性により、米軍の各部隊は、プラットフォームに依存することなく、長距離キルチェーンを完結させ、困難な環境下での敵の脅威を効果的に排除し、重要な資産を保護する上で、大きな戦略的優位性を得ることができます。

Red Wolf:長距離精密攻撃のための運動エネルギー・プラットフォーム

Red Wolfは、特に長距離精密攻撃に焦点を当てた運動エネルギー弾です。その設計は、目標に対する高い命中精度と破壊力を提供することを目指しており、敵の重要なインフラや兵器システムを遠距離から無力化する能力を有します。

Green Wolf:電子戦、検知、識別、位置特定、報告機能を備えた電子戦プラットフォーム

一方、Green Wolfは、電子攻撃、検知、識別、位置特定、報告機能を統合した高度な電子戦プラットフォームです。このミサイルは、敵のレーダーや通信システムを妨害・無力化し、味方部隊の行動を隠蔽すると同時に、敵の電子放出源を特定し、その位置を正確に把握する能力を持っています。これにより、戦場における情報の優位性を確保し、味方部隊の生存性を向上させることができます。

共通の特徴:モジュール性、連携能力、自律性

Red WolfとGreen Wolfの両ミサイルは、高い柔軟性を持つモジュール式設計を採用しています。これにより、様々なペイロードや機能を容易に統合・交換することが可能となり、将来的なアップグレードや多様な任務への適応性を高めています。また、飛行中にミサイル同士が連携し、目標を再標的設定するための高度なソフトウェアが搭載されており、刻々と変化する戦場の状況に迅速に対応することができます。さらに、自律航空機の群集行動(スウォーム)能力もサポートしており、複数のミサイルが協調して複雑な任務を遂行する可能性を秘めています。

L3ハリスの宇宙・空中システム担当社長は、”当社の「ウルフパック」は、プラットフォームを問わず、米軍各部隊に長距離キルチェーンの完結、困難な環境における敵の脅威の撃破、そして資産の保護において大きな優位性をもたらします。レッドウルフとグリーンウルフは、殺傷能力が高く、モジュール式で、価格も手頃で、いつでも狩りに出られる状態です。”と述べており、その高い性能と費用対効果を強調しています。

開発実績と今後の展望:費用対効果の高い回収可能なシステム

L3ハリスは過去5年間にわたり、これらの機体の設計、開発、製造に尽力し、40回以上の飛行実績を誇っています。これらの実績は、システムが実戦に耐えうる高い信頼性と性能を持っていることを示しています。さらに重要なのは、これらのプラットフォームが回収可能であるという点です。これにより、様々なペイロードの開発・統合に柔軟に対応できるだけでなく、訓練やテストのコストを大幅に削減することができます。

同社は2025年末までに、インフラの拡張と自動化の強化を進めながら、低率初期生産(LRIP)の一環として数十のシステムを構築する予定です。約30万~40万ドルのコストで提供されると言われており、従来のスタンドオフ型巡航ミサイルと比較すると非常にコスト効率が高いミサイルシステムであることが強調されています。この費用対効果の高さは、大規模な配備と運用の可能性を広げ、米軍の将来的な戦力構成において重要な役割を果たすことが期待されます。

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