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アメリカの同盟国一覧|日本以外はどこ?

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US Navy

トランプ大統領就任以来、常に話題となっているアメリカの安全保障戦略は、「アメリカ・ファースト」を掲げ、米国の国益を最優先し、同盟国の安全保障を犠牲にすることも厭わないという発言が見られます。米国は世界最大の軍事力を同盟国の防衛のために提供しておりますが、アメリカの同盟国は一体いくつあるのでしょうか。自国の日本や隣国である韓国は比較的知られておりますが、それ以外の国々については意外と知られていないのが現状です。そこで、アメリカの同盟国についてまとめてみました。

アジア

日本

US Navy

第二次世界大戦(太平洋戦争)で米国が勝利した後、日本は連合国である米国の占領下に置かれました。1951年(昭和27年)のサンフランシスコ講和条約により日本は主権を回復し、1960年(昭和35年)には日米安保条約を締結して日米同盟が成立しました。この条約に基づき、米軍(在日米軍)は日本本土に駐留しており、現在、日本国内には8か所の米軍基地と、通信施設を含む約130か所の関連施設が存在します。日米安保条約第5条は、日本が攻撃を受けた場合に米国が日本を防衛する義務を定めていますが、日本は米国の戦争に参戦する義務はありません。

韓国

1950~53年の朝鮮戦争を共に戦った米韓。第二次大戦後に「米韓軍事協定」が結ばれていたが、朝鮮戦争の反省と北朝鮮の南進への抑止のため、1953年により強固な米韓間の集団防衛同盟、米軍の韓国内の駐留を認める今の「米韓相互防衛条約」が調印される。現在、韓国内には約3万の米軍が駐留している。

中華民国(台湾)

兵員不足の台湾軍、外国人部隊の創設を検討
台湾国防部

米国と台湾はかつて1954年に「米華相互防衛条約」を締結していましたが、1979年に米国が中華人民共和国と国交を樹立した際、中華民国(台湾)との国交を断絶し、同条約も失効しました。この条約失効に伴う中国の台湾侵攻を懸念し、米国は同年、国内法規である「台湾関係法」を制定しました。この法律は、米軍の台湾駐留こそ規定していませんが、台湾への武器供与や有事の際の在日米軍など近隣基地からの米軍派遣を示唆する内容を含み、中国を牽制する事実上の軍事同盟となっています。トランプ大統領の時代には、国防総省が台湾を「国」と表記し、国家として認めるなど、中国への牽制がさらに強められました。

フィリピン

USMC

元々米国の植民地だったフィリピンは、太平洋戦争中の1943年に日本軍の支援で独立しました。しかし、戦後に再び米国の植民地となり、1946年にマニラ条約で再独立を果たします。独立後も米国はフィリピンに影響力を持ち続け、1947年に「米比軍事基地協定及び米比軍事援助協定」が締結され、米軍の駐留が継続されました。1951年には「米比相互防衛条約」が調印され、相互防衛を約束。この条約はベトナム戦争で重要な役割を担い、現在では中国の東シナ海への進出に対する重要な拠点となっています。なお、この条約の有効期限は無期限とされています。

パキスタン

中東の雄パキスタンは西にはイラン、北にはソ連(ロシア)と米国の敵対国のけん制、南アジアの安全保障上、重要な場所にあったため、この国は昔から米国の軍事支援を受けてきており、1947年の国交樹立ともに「相互防衛アシスタント協定」を締結している。2001年のアフガニスタンでの対テロ戦争でも重要な役割を担った。しかし、最近ではタリバンアルカイーダといったテロ組織への対応が不十分、匿っていると米国から非難を受けており、更に中国と接近。事実上の同盟関係にあるとされ、米国との同盟関係は揺らんでいます。

サウジアラビア

サウジアラビアと米国は、公には軍事同盟を結んでいないものの、サウジアラビア国内に米軍基地が存在するため、実質的な軍事同盟関係にあると見なされています。米軍は1990年の湾岸戦争から2003年にイラクのフセイン政権が倒れるまで駐留しました。その後、一時撤退したが、2019年からは再び駐留しています。イスラム教の聖地メッカを抱えるサウジアラビアに、キリスト教徒が主体の米軍が駐留することに対し、多くのイスラム教徒が反発しています。彼らは米軍を過去の十字軍になぞらえ、これがイスラム過激派による米国へのテロ攻撃の一因ともなっています。米国とサウジアラビアの関係は、軍事的な側面よりも石油の利害関係に起因すると考えられています。

オセアニア

オーストラリア・ニュージーランド

太平洋戦争において、米国と共に日本と戦ったオーストラリア、そしてその隣国であるニュージーランドの三国は、1951年に「太平洋安全保障条約」を締結しました。この条約は、三カ国の頭文字を取り、ANZUS条約と称されております。その後、ニュージーランドは非核化の立場を堅持し、核兵器搭載艦艇の寄港を拒否したため、米国はニュージーランドに対する防衛義務を放棄しました。これにより、米国とニュージーランド間の安全保障関係は形骸化し、米豪間の関係の重要性が増しております。

ミクロネシア連邦

ミクロネシアは、1914年から第二次世界大戦終結まで日本の統治下に置かれ、多数の日本人が入植していました。戦後、日本人は帰国し、同地域はアメリカ合衆国を受任国とする太平洋諸島信託統治領の一部となりました。これに伴い、同地域には米軍基地が建設されました。ミクロネシアは1979年に独立を果たしましたが、軍は保有していません。1986年には、国防と安全保障をアメリカ合衆国に委託する自由連合盟約国に加盟し、以来、同国の防衛はアメリカ合衆国の責任となっています。防衛をアメリカ合衆国に依存している一方で、ミクロネシア国民は米軍への入隊が可能であり、米軍内で積極的な役割を果たし、イラク戦争およびアフガニスタン戦争においては戦死者も出しています。

北中米

カナダ

第二次世界大戦後、カナダは隣国アメリカ合衆国と軍事協力関係を築いており、朝鮮戦争、湾岸戦争、アフガニスタン紛争といった紛争において共同で参戦しています。その一方で、単にアメリカ合衆国に追従するのではなく、ベトナム戦争やイラク戦争においては反対を表明するなど、独自の立場を維持してきました。アメリカ合衆国とカナダは、1958年に「北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)」と称される連合防衛組織を設立し、ミサイルや戦略爆撃機といった脅威から両国を防衛するため、北アメリカの航空および宇宙の監視、防空を共同で実施しています。また、北大西洋条約機構(NATO)の一員でもあります。

ヨーロッパ

NATO(北大西洋条約機構)

北大西洋条約機構(NATO)は、第二次世界大戦後、共産主義とソビエト連邦の脅威に対抗するため、イギリスとアメリカが主導し、ヨーロッパ諸国間で締結された軍事同盟です。これに伴い、ドイツやトルコなどヨーロッパ各地に米軍が駐留しています。ソビエト連邦はこれに対抗する形でワルシャワ条約機構を設立しましたが、これは1991年に廃止されました。冷戦終結後は域外紛争も対象となり、アメリカ主導のもと、アフガニスタン紛争やイラク戦争にもNATO加盟国は参加しています。当初12か国で発足したNATOは、現在29か国にまで拡大しています。

イスラエル

米国は、「質的軍事優位(QME: Qualitative Military Edge)」と呼ばれる法律に基づき、イスラエルが中東地域において軍事的な優位性を維持することを義務付けられています。また、米国とイスラエルは戦略的な同盟関係を強化するため、2013年に「米国とイスラエルの戦略的パートナーシップ法」を可決しました。しかし、本法案は米国がイスラエルの防衛義務を負うものではありません。その代わりに、米国は1985年より年間30億ドルの資金援助を行っており、この資金はイスラエルの軍備拡張、兵器および防衛関連の研究費に充当されています。そして、その軍事研究は米国の兵器開発に寄与しています。

上記の国々以外にも、米軍は多くの国と地域に駐留しており、海外の米軍基地の数は500を超え、45万人の兵士および軍属職員が駐留しています。

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