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ロシアの火薬庫大爆発!国防省「作業員の不注意でした」と発表

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ロシア・ウラジーミル州にあるロシア国防省ミサイル砲兵局第51兵器廠で一連の爆発が発生した。ウクライナ軍による攻撃によるものと思われたが、ロシア国防省は原因を作業員の不注意によるものと発表している。

ロシア国防省は公式テレグラムで、4月22日にウラジーミル州にあるロシアの兵器庫で爆発が発生し、火災が発生したと報告した。ウクライナの軍事メディア「ミリタルヌイ」によれば、問題の施設はモスクワの東50kmに位置する、ロシア連邦軍ミサイル・砲兵総局・第11785部隊の第51兵器廠で、面積は約3.5平方km、約27万4000トンの弾薬を保管でき、ロシア国防省の最大級の兵器庫の一つとなっている。ここはウクライナ国境から約530km離れた場所にあり、ウクライナ軍の無人機・ドローンの射程圏内にある。ロシア国内ではしばしば、ウクライナ軍の自爆ドローンの攻撃を受け、兵器庫や石油施設が爆発炎上しており、今回も当初、ウクライナ軍の攻撃によるものと思われたが、ロシア国防省はウクライナを非難せず、現場で火災が発生したのは爆発物を扱う際の安全規則違反のためだと自ら非を認めた。

ロシアのアンドレイ・ベロウソフ国防相は、この事件を調査するための特別委員会の設置を命じた。ロシア非常事態省は、この事件により軍部隊1部隊、7つの集落、12の休暇村が避難したと報告した。ロシアメディアによると、近隣の住宅も数軒被害に遭ったという。ロシアの独立系メディア「アストラ」は地元住民の話として、基地で強力な爆発があり、その後も二次的な爆発が続いたと報じた。事件後、モスクワから近隣の町キルジャチへ通じる道路が閉鎖された。ロシア国営メディア「コメルサント」によると、ロシア当局はバルソヴォとミールヌイの集落からの避難を命じた。

ミリタルヌイの報道によると、施設画像の分析から兵器庫には中口径砲弾や対空システム用ミサイルなど、幅広い兵器が保管され、砲弾の発射薬や爆発物の状態を監視するための研究室や、ハイテク兵器システムを試験するための設備を備えた作業場もあったとされる。通常、ミサイル砲兵総局の管轄下にある基地には、重砲弾、多連装ロケットシステム(MLRS)用の弾薬、小火器の弾薬が大量に備蓄されていると考えられ、ディフェンス・エクスプレスによれば、第51兵器廠には45の貯蔵施設と30の弾薬庫があったことが分かっており、最大約27万4000トンの弾薬を収容できる能力があり、20万トン以上の弾薬を失った可能性がある。OSINTアナリストであるM.T.アンダーソン氏は火災後の衛星画像で現場を調査し、爆発範囲は約30棟の貯蔵庫と弾薬庫に及んでいたと結論付けている。

第51兵器廠は単なる大規模な弾薬庫ではない。ロシア国防省ミサイル・砲兵総局(GRAU)の主要施設として、弾薬の配給と整備のための重要な物流拠点として機能している。GRAUは、ロシア全土に約20の弾薬庫を運営し、数百万トンの弾薬を保管している。この内、ウクライナへの戦線に弾薬を供給しているヨーロッパ方面にある兵器廠は8つある。この内、2024年9月にはトロペツ弾薬庫がウクライナ軍のドローン攻撃を受け、爆発。同年10月にはカラチェフ弾薬庫、11月にはノヴゴロド州コトヴォにある第13兵器廠が同じくドローン攻撃を受け爆発と、3つが2024年に破壊されていた。今回、第51兵器廠が爆発したことで、ヨーロッパ方面にある弾薬庫の数は半分に減ったことになる。

これまで破壊された弾薬庫すべてがウクライナ軍の攻撃だったことを考えると、第51兵器廠もウクライナ軍のドローン攻撃と考えるのが妥当だ、実際、過去にドローン攻撃を受けており、爆発の一か月前にも攻撃を受けたが、目立った被害はなかったとされる。今回、ロシア国防省は爆発をウクライナのせいにもできた筈だが、原因を安全規則違反のためだと自らの非を認めた。爆発時の映像がSNS上にいくつか投稿されているが、無人機が飛行するものは確認できないため、事実なのかもしれない。実際、同基地では2022年6月22日に弾薬の荷降ろし作業中に爆発が発生し、軍人3名と民間専門家1名が死亡、1名が重傷を負う事故が発生。また、2009年以降、GRAU弾薬保管庫では火災や爆発が何度も発生していた。

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