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ウクライナ軍の無人艇がロシア軍のSu-30戦闘機を撃墜!無人艇による有人戦闘機の撃墜は世界初

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ウクライナ国防省情報総局

ウクライナ国防省情報総局(DIU)は、海上配の無人水上艇から発射したミサイルでロシアのSu-30SM戦闘機を撃墜したと発表した。無人艇で有人戦闘機を撃墜するのは世界初の事例だ。

5月2日、ウクライナ国防省情報総局(GRU)傘下の特殊部隊「Group13」は水上無人艇に搭載された対空ミサイルを使用して、クリミア半島の東、ロシアのノヴォロシースクの西50kmの黒海東部を飛行中だったロシア軍のSu-30戦闘機を撃墜した事を発表した。機体はロシア黒海艦隊第43海軍攻撃航空連隊所属の複座型Su-30SMとみられ、機体価格は5000万ドル。この撃墜についてはロシア側は何も発表していないが、ロシアの権威ある軍事ブロガーはパイロットは脱出し、海面に着水。その後、通りかかった民間の貨物船に救助されたと発信しており、撃墜は事実と思われる。

ウクライナ国防省情報総局

Su-30SM戦闘機を撃墜したのはウクライナ国防省情報総局(GRU)傘下の特殊部隊「グループ13」の無人水上艇「MAGURA V5」だ。Maguraは全長5.5m、重量1000kg、巡航速度は41km/h、最高速度78km/hで水上を移動する。航続距離は800kmでウクライナ西にあるオデーサからクリミア半島全域は勿論、ソチを含むロシアの黒海沿岸部全域を航行範囲に納めている。稼働時間は最大60時間で400km以内で遠隔操作が可能。慣性誘導、GPSによる自律誘導も可能だ。MAGURAは主に爆薬を搭載して、水上艦に突っ込む自爆艇と使用されているが、ロケット弾を搭載した対地攻撃モデルや今回、Su-30SMを撃墜したように、対空ミサイルを搭載した派生モデルも開発されており、防空仕様は「MAGURA V7」と呼ばれている。使用されたミサイルについては米国製の短距離対空ミサイルAIM-9サイドワインダー、ソ連時代に開発された短距離対空ミサイルR-73という異なる報道があり、情報が錯綜している。

無人艇による有人戦闘機の撃墜は今回が世界初だが、Group13は2024年12月31日にクリミア半島最西端の黒海上空でMAGURAに搭載された対空ミサイルでロシア軍のMi-8ヘリ2機を攻撃、内1機を撃墜、もう1機を損傷させている。この時、攻撃に使用されたミサイルはソ連時代に開発されたR-73短距離対空ミサイルになり、GURはこれを「R-73 Sea Dragon」と呼んでいる。R-73は本来、航空機搭載用に開発された短距離空対空ミサイルで射程は最短300m、最大30km。赤外線捜索追尾システムを搭載しており、標的を自律追跡する。Sea Dragonと呼んでいることから、海上仕様に改修されている可能性があり、今回もR-73をベースにしたSea Dragonが使用された可能性が高いと推測される。

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