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ウクライナとイスラエルに砲弾を売ったパキスタン、インドと戦争になったら4日間しかもたない

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パキスタンは深刻な砲弾不足に陥っており、もし、戦争になった場合、僅か4日間で枯渇すると伝えられている。一時期、インドとの間で武力衝突に発展するのではというほど緊張が高まったが、現在のパキスタンにインドとやりあいほどの軍備蓄はないとされる。

インドメディアのANI通信の報道によると、パキスタン軍は現在、深刻な砲弾不足に直面しており、高強度の戦闘作戦を最大でも4日間しか維持できないとされている。この状況は、海外への砲弾輸出が主な要因とされ、国内の弾薬備蓄が著しく減少しているとのことだ。情報筋によるとパキスタンは自国の経済的利益と国際的な砲弾需要に応えるべく、パキスタン軍が保有していた砲弾を輸出。主に戦時中で需要が急騰していたウクライナとイスラエルに輸出された。しかし、その結果、深刻な砲弾不足に陥り、パキスタン軍が保有する砲システムは強度の強い戦闘状況下になった場合、僅か96時間で弾薬が尽きるとされる。インドと領有を争うカシミール地方のインド直轄地で先月4月22日、観光客ら26人が死亡するテロ事件が発生し、これを受けてインド側はパキスタン政府が関与したとして報復攻撃も辞さない構えを示し、両国の間では武力衝突の緊張が高まるなか、国内ではパキスタン軍の脆弱性が懸念されている。パキスタンはなぜ、砲弾不足になるほど輸出を行ったのか?それは同国が置かれた経済的困窮にある。2023年、パキスタンは国土の3分の1が水没するという未曽有の洪水被害を受け、多くの農地が壊滅、食料自給率が下がり、世界的な穀物高の中、財源不足で食糧不足にも陥る。更にロシアによるウクライナ侵攻を受けての世界的な物価高、燃料費の高騰などもあり経済危機に墜ちいった。軍は燃料と潤滑油不足、緊縮財政の為、一時期全ての軍事訓練を中断。兵士への食糧配給も削減され、士気にも影響を与えた。世界的に防衛予算が拡大する中、軍は増額要求をせず、むしろ、国家予算における軍事予算の割合は2021~2022年の20%から2022~2023年は16%に削減するといった緊縮財政に。

パキスタン軍は外貨を得るために2023年2月から3月の間にイギリスを通じてウクライナに122mmロケット弾17万発、155mm砲弾6万発を輸出し、3億6400万ドルの収益を得たと伝えられている。パキスタンは1997年から2002年にかけて320両のT-80UD戦車をウクライナから購入しており、この中から、44両のT-80UDをウクライナに売却する提案を行ったとも報道されているが、パキスタン側はこれを否定も肯定もせず、移転されたかどうかは確認されていない。また、パキスタンは憲法でイスラム教を国教と定めているイスラム国家でありながら、多くのイスラム教徒が敵対視するイスラエルにもイギリスを通じて砲弾の売却を行ったと報道されている。これは国内外大きな反発を生んだ。これについて、パキスタン政府は、イスラエルとのいかなる軍事的・商業的関係も否定している。ウクライナ、イスラエルどちらにもかつての宗主国イギリスを通じて、売却しているように、パキスタンとしては一応外国的中立性の体裁は保とうとしているのは伺えるが、結局はロシアやイスラム諸国の反発を買う事に。しかし、国内状況を考えれば当時はやむを得なかっただろう。

しかし、インドと緊張が高まったことで砲弾輸出のつけが回る事になる。枯渇した砲弾を補充しようにも同国の主要な兵器製造業者である国営のパキスタン・オードナンス・ファクトリーズ (POF)は、インフラの老朽化と生産能力の限界により、補給に苦労していると伝えられている。かといって、海外から輸入しようにも世界的に砲弾需要は急騰、価格が上がっている。この問題はすでに同国の軍最高幹部にまで伝わっており、先日開かれた特殊部隊司令官会議でも重要な議題となった。

それに対し、敵対するインドは国内の砲弾生産能力を拡大させており、155mm砲弾製造能力は大幅に拡大する見込みで、国営企業を除いた民間企業だけでも2027年度までに年間30万発以上の砲弾を生産すると予想されている。しかも、コストが安く155mm砲弾の価格は1発あたりわずか300~400ドルとされ、海外輸出も積極的に行っている。

パキスタンもこの不足に対応するため、友好国であるトルコの防衛企業Repkonと提携し、年間12万発の155mm砲弾を生産する新たな製造ラインを国内に設立する計画を進めている。この施設では、砲弾の製造だけでなく、爆薬の充填やレーザー誘導キットの生産も行われる予定だ。また、パキスタンはイタリアから約10万発の榴弾砲用砲弾を購入する契約を締結し、弾薬不足の即時的な解消を図っている。しかし、砲弾不足の解消には数年かかる見込みだ。4月29日には36時間以内にインドが軍事行動を起こすとパキスタンが訴え、モディ首相も軍に軍事行動の全権を与えたが、幸い何もおきなかった。

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